投資家は、一瞬で全財産を失う怖い人たちだと思っていました
お恥ずかしい話ですが、投資について何も知らなかった頃の私は、「投資家というのは、一瞬で全財産を失ってしまうような、怖い世界に生きている人たちだ」となぜか思い込んでいました。今考えると根拠のない偏見でしかないのですが、当時は本気でそう信じていたのです。
テレビやニュースで見る「株価暴落」「大損」といった刺激的な言葉のイメージが強く残っていたのだと思います。「投資 怖い なぜ」「投資 絶対損する」——こうしたキーワードで検索したことがある方は、きっと私と同じような感覚を持っているのではないでしょうか。周りから「投資はギャンブルだからやめておけ」と言われた経験がある方も、少なくないはずです。教育費や老後資金への不安はあるのに、損をする恐怖が先に立ってしまい、なかなか一歩を踏み出せない——そんなジレンマを抱えていたのは、私だけではないと思います。
なぜ「投資=絶対損する」と思ってしまうのか
投資に対して悪いイメージを持ってしまう理由の一つは、「株」と聞いたときに、短期トレードやFXのような、勝った人の裏に負けた人がいる「ゼロサムゲーム」的なイメージが強く結びついてしまうことにあると思います。「株 ギャンブル イメージ」で調べても、こうした短期売買の話が多く出てきます。デイトレードで一日に何百万円も損したという話は強烈に印象に残りますが、それはあくまで投資の中でも特にハイリスクな一部の手法の話であって、投資信託を使った長期の積立とは、性質が大きく異なります。
また、ニュースというものの性質上、「大暴落」「大損した人」といった悪い話ほど大きく報じられやすく、地道にコツコツ資産を増やしている人の話は、あまりニュースになりません。結果として、私たちの目に入る投資関連の情報は、実態以上に「危険なもの」というイメージに偏りがちなのだと感じています。
投資とギャンブルの決定的な違い
ここで、投資とギャンブルの違いを整理してみたいと思います。「投資 ギャンブル 違い」で検索すると詳しい解説がたくさん出てきますが、私なりに理解したポイントをお伝えします。
ギャンブルは、参加者同士でお金を奪い合う仕組みです。誰かが勝てば、その分誰かが負ける。しかも胴元の取り分がある以上、参加者全体で見れば、続ければ続けるほど期待値はマイナスに近づいていきます。
一方、オルカンやS&P500のような投資信託を通じた投資は、世界やアメリカの経済成長、つまり企業の利益にお金を託して、その成長を一緒に分け合っていく仕組みです。経済全体が長期的に成長していけば、そこに投資しているお金も、一緒に増えていく可能性があります。「誰かの損が自分の得になる」ギャンブルとは、根本的な仕組みが違うのです。この違いに気づいてから、私の中で投資に対する見方が大きく変わりました。
下の図は、この違いと、リスクとの付き合い方を私なりに整理したものです。

「リスク(元本割れ)」とは何なのか、正しく恐れるために
ここで、正直にお伝えしなければならないことがあります。投資信託は銀行預金のように元本が保証されているわけではなく、価格が下がって「元本割れ」する可能性があるのは事実です。「絶対に損しない」という都合の良い話は、投資には存在しません。
ただし、誤解しないでいただきたいのは、「元本割れのリスクがある」ことと、「一瞬で全財産が消える」ことは、全く別の話だということです。投資信託は、多数の企業や国に分散して投資する仕組みになっているため、1つの企業が倒産したからといって、資産がゼロになるわけではありません。私が最初に抱いていた「投資家は一瞬で全財産を失う」というイメージは、この分散という仕組みを知らなかったことによる、単なる思い込みだったのだと今では分かります。また、「長期・分散・積立」という基本を意識することで、このリスクの振れ幅をある程度コントロールすることができます。短期的に大きく値下がりする局面があっても、慌てて売らずに長期で持ち続けることや、値動きの異なる複数の資産に分けて投資すること、価格が高いときも安いときもコツコツ買い続けることが、リスクと上手に付き合っていくための土台になります。
これから投資を始める人へのアドバイス
ここまでお伝えしてきたことをまとめると、投資はギャンブルとは仕組みが違うものの、元本割れのリスクがゼロというわけではない、ということです。だからこそ、始め方には気をつけていただきたいポイントがあります。
それは、いきなり大きな金額を投じないことです。「なくなったら生活が立ち行かなくなるお金」ではなく、当面使う予定のない余剰資金、いわばお小遣いの範囲の少額から始めることをおすすめします。「投資 少額 いくらから」で調べていただくと分かる通り、ネット証券であれば数百円からでも投資信託の積み立てを始めることができます。まずは無理のない金額でコツコツ始めてみて、値動きに慣れながら、自分に合った金額を見つけていくのがいいのではないかと思います。少額であれば、たとえ評価額がマイナスになったとしても、生活に大きな支障が出ることはありません。この「小さく始めて、慣れてから広げていく」というステップこそが、投資への恐怖心を和らげる一番の近道だと、私自身の経験から感じています。
大切なお願い(自己責任の原則・元本割れのリスクについて)
今回お伝えした内容は、あくまで投資の一般的な仕組みについての説明であり、投資を始めるかどうか、どの商品にどれくらいの金額を投じるかといった最終的な判断は、必ずご自身の状況やお考えに基づいて、ご自身の責任で行っていただく必要があります。
繰り返しになりますが、株価や基準価額の変動により、投資した元本を下回る「元本割れ」のリスクがあることは事実です。「絶対大丈夫」という言葉を鵜呑みにせず、リスクを正しく理解した上で、ご自身に合った一歩を踏み出していただければと思います。
同じように「投資は怖いもの」と思い込んでいた子育てパパ・ママの方にとって、この記事が、誤解を解くきっかけになればうれしいです。かつての私のように、正体の分からない不安に振り回されるより、リスクの中身を正しく知った上で、自分なりの距離感で投資と付き合っていく——そんな向き合い方が、結果的に一番安心できる方法なのだと思います。


