「投資信託って、なんだか怖い」「元本割れするくらいなら、銀行に預けておいたほうが安心」——以前の私は、本気でそう思っていました。
前回の記事(「投資=怖い」と思っていた私が、投資を始めるまでの話)では、私が投資を始めるまでの葛藤をお話ししました。今回はもう一歩踏み込んで、「なぜ投資=ギャンブルという認識が、私の中で変わっていったのか」を詳しくお伝えしたいと思います。
「投資信託 怖い」「元本割れ」「新NISA」——このあたりのワードで検索してこの記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。かつての私も、まさに同じ言葉で検索を繰り返していた一人です。
私が「投資=ギャンブル」だと思っていた理由
私が投資を怖いと思っていた最大の理由は、「投資した企業が潰れて、掛けたお金が一瞬でパーになる」というイメージが頭から離れなかったからです。
ニュースで倒産した会社の話を聞くたびに、「株なんて紙切れになるかもしれないものにお金を出すなんて、ギャンブルと変わらない」と本気で思っていました。競馬やパチンコと同じ、運任せで大金を溶かす行為。そんなイメージが、社会人になってからずっと頭にこびりついていたのです。
周りに投資をしている人もほとんどいなかったので、誰かに実情を聞く機会もなく、漠然とした恐怖心だけが一人歩きしていました。
「潰れない企業に、少しずつ託す」という発想への転換
しかし勉強を進めるうちに、私の中で大きな発想の転換が起きました。それは、「一つの企業に一括で賭ける」のではなく、「安定して存続している企業に、コツコツ資金を託していく」という考え方です。
冷静に考えてみると、私たちの身の回りには、自分が生まれるずっと前から存在し、今も成長を続けている企業がたくさんあります。何十年もの間、時代の変化を乗り越えながら事業を続け、利益を出し続けている会社です。
そうした企業に対して、余裕資金の一部をコツコツと積み立てていく。これは一発逆転を狙うギャンブルとはまったく性質が異なるものだと気づきました。むしろ「時間をかけて、着実に資産を育てていく」という、地に足のついた取り組みに近いのです。
なぜアメリカの企業が「安定」の代名詞になりやすいのか
さらに調べていく中で、こうした「長く安定して成長を続けている企業」は、アメリカに多いということも知りました。
理由の一つは、アメリカの企業の多くが自国内だけでなく、世界中を相手に商売をしているという点です。国内市場だけに依存していると、その国の景気や人口動態に業績が左右されやすくなります。しかし世界中に販路を持つ企業であれば、ある地域の景気が落ち込んでも、別の地域の成長がそれを補ってくれる。結果として、業績が急激に落ち込みにくく、長期的に少しずつ成長していきやすい構造になっているのです。
「投資=ギャンブル」というイメージを持っていた私からすると、これは大きな発見でした。アメリカを中心とした安定企業を狙い、時間をかけて積み立てていくやり方は、むしろとても堅実な資産形成の方法なのだと、自分の中の認識が塗り替えられていったのです。
「1企業ずつ自分で分析しないといけない」という思い込みも間違いだった
もう一つ、私が投資を避けていた理由がありました。それは、「株を買うなら、1社1社の決算書や事業内容を自分で分析しなければならない」という思い込みです。
正直、仕事や子育てで忙しい中、そんな時間も専門知識も自分にはないと感じていました。「投資=専門家がやるもの」というハードルの高さも、私を遠ざけていた理由の一つだったのです。
しかし実際に調べてみると、複数の企業にまとめて分散投資を任せられる「投資信託」という仕組みがあることを知りました。投資信託とは、多くの人から集めたお金をひとつにまとめ、運用の専門家が様々な企業や資産に分散して投資してくれる商品のことです。
しかも一口に投資信託といっても、その中身は様々です。
- 特定の指数(アメリカの主要企業全体など)に連動するように設計されたもの
- 世界中の株式に幅広く分散するもの
- 特定の業種やテーマに絞って分散するもの
こうした選択肢の中から、自分の考え方に合ったものを選べる。1社1社を自分で分析しなくても、幅広い企業に「まとめて」お金を託せる仕組みがあると知ったことで、投資に対するハードルは一気に下がりました。
「元本割れ」は怖いこと?——リスクとの正しい付き合い方
投資信託について調べていると、必ずと言っていいほど目にするのが「元本割れ」という言葉です。投資したお金が、預けた時点の金額を下回ってしまう状態のことですね。
これは事実として、投資である以上ゼロにはできないリスクです。値動きのある資産である以上、短期的に評価額が下がる局面は必ずあります。ここを「絶対に減らないもの」だと期待してしまうと、値下がりのたびに強い恐怖を感じてしまいます。
ですが、これも「長期的に、安定した企業や資産に分散して、時間をかけて育てていく」という前提に立つと、少し見え方が変わってきます。短期的な値下がりは、長期で資産を育てていく過程の一部として起こりうるもの。一時的に元本を割り込む場面があっても、時間を味方につけてコツコツ積み立てを続けることで、リスクとの付き合い方を学んでいくことができるのです。
もちろん、これは「絶対に増える」という保証ではありません。大切なのは、リスクの正体を知り、無理のない範囲で、自分が納得できるやり方を選ぶことだと感じています。
新NISAという制度が、後押しをしてくれた
こうした考え方に加えて、私の背中を押してくれたのが「新NISA」という制度でした。一定の投資枠内で得た利益が非課税になり、しかも制度が恒久化されたことで、期限を気にせず長期的にコツコツと資産形成を続けられるようになっています。
「安定した企業に、分散して、時間をかけて託していく」という考え方と、「新NISA」という税制面のサポートが組み合わさったことで、かつてギャンブルだと思っていた投資が、私にとって現実的で堅実な選択肢に変わっていきました。
まとめ——「怖い」の正体は「知らなかっただけ」
振り返ってみると、私が投資を「怖い」と感じていた理由は、次のような思い込みの積み重ねでした。
- 投資した企業が潰れて、お金が一瞬でパーになるというイメージ
- 1社1社、自分で分析しなければならないという思い込み
- 元本割れ=絶対に避けるべき失敗だという誤解
しかし実際は、安定して事業を続けている企業に、投資信託という仕組みを使って分散しながら、時間をかけて託していく方法があること。そして新NISAという制度が、その取り組みを後押ししてくれること。これらを知ったことで、私の中の「投資=ギャンブル」という認識は、少しずつ「投資=堅実な資産形成の手段」へと塗り替えられていきました。
もしあなたが今、「投資信託は怖い」「元本割れが不安」と感じて一歩を踏み出せずにいるなら、それは意思が弱いからでも、知識がないからダメというわけでもありません。ただ、正しい情報を知らないだけなのかもしれません。まずは新NISAの仕組みや、投資信託がどんなものかを調べてみることから、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


